雛祭りのお茶事

芙蓉(ふよう)

2013年02月23日 19:30

本日はお作法教室の皆様と一緒に阿佐ヶ谷にあります「星岡」に行って参りました。

私のお友達であり、元職場の同期でもあるお作法教室のN先生は、こちらの星岡茶道教室に通われてらしゃいます。
そのご縁で今回はお作法教室の生徒である私たちもお招き頂きまして、私たちだけで一席設けて頂きました。
ありがとうございます。

和室での振る舞い、懐石料理の食し方など、日頃N先生に学んでおりますことがお茶事にはギュッと凝縮されています。

お作法教室にて数年に渡って学んで参りましたことの集大成ともいうべきもの。
お作法教室としての“お茶事デビュー”です。


星岡表札

「星」という字がなんとも素敵です


お玄関

草履をしまい、コートとショールをハンガーへ。


お玄関入口のしつらえ

素敵なガラス細工のお内裏様・お雛様がお迎え下さいました。
燭台も素敵ですよね。
(こちらの和蠟燭、おいとまする頃には随分と短くなっておりましたが、お玄関でのお迎えからお見送りまで、私達を暖かく見守って下さったのだなぁと思いました)

お手洗いをすませ、身支度を整え荷物を風呂敷に包んでひとまとめに。


寄付

こちらのお部屋にも素敵なお雛様が沢山に飾られていました。




立派な犬筥。お内裏様とお雛様がすっぽりと入りそうですね

後程お正客のN先生が亭主の井関先生にお尋ね下さいましたが、こちらは京都の「田中彌」さんでお求めの犬筥なのだそうです。
なんとも可愛らしいお顔です

煙草盆と手あぶり


寄付にて御白湯を頂き、お庭へ


腰掛待合


ご亭主からのお招きがあり、各々蹲踞にて手と口を清めて、こちらからにじって席入りしました。



お軸

冷泉家18代為則のものなのだとか。


お釜と棚

菱形をしたお棚に雪洞の形をした水指し。
お写真には写っていませんが小判型の金色の器に小さなお雛様があしらってあるお香合。
どれもお雛様に因んだものでとても素敵でした


お炭点前の後、パチパチと炭に火が入り、香しいお香の香りがお部屋に広がります。
そのあとに懐石料理が運ばれてまいりました。

折敷(飯椀、汁椀、向附)

まだ蒸らす前の炊きたてのご飯に、お汁は「結萌麩」
向附は「平貝黄身酢添え 菜の花」でお皿は貝の形をしたものでした。


椀盛・・・「菱餅糝薯 つる菜 冬茹」

蓋を開けるとこのように。


菱餅糝薯は横からも撮影しました

きれいに三色の菱餅に模してあります
とても柔らかくて美味でした。


焼き物・・・「鮭 白酒焼」

白酒焼きとは珍しいですよね。


預鉢・・・「鶏万寿 宝蓮草」

お名前もとてもおめでたいです。
餅米がつやつやとしていて、見た目にも美しかったです


強肴・・・「紋甲いか うに和え」「糸瓜ちしゃとう三杯酢」
こちらはお写真撮り忘れてしまいました(^_^;)


小吸物・・・「ふきのとう」

ふきのとうの苦みにとってもパンチあり
春をつげるお味でした


八寸・・・「さより風干し」「花びらうど」

このピンクの丸いうど。お一人ひとつなのでこのような感じですが、
取り分ける前の盛り皿には5個のうどを円に並べて、真ん中にもひとつ置き、合計6個で梅の形をあしらってらっしゃいました


香の物(沢庵、奈良漬、しば漬)



沢庵で器をきれいにしながらさらさらと。

出された器は懐紙にて綺麗に拭き取りお返ししました。
どのお料理もそれはそれは美味しくて、至福のお時間でした


お濃茶用の主菓子「引千切」

懐紙にとって頂きました。
この時期のお菓子と言えばやはり「引千切」ですよね
よもぎの香りが際立っていてとても美味しかったです

お菓子を頂いた後は休憩。
お庭に出て、次の薄茶席の合図を待ちます。



床の間はお軸からお花へと

艶やかな檜扇に桃の花と花器との色合いがまた素晴らしいです。


干菓子

蝶々に蕨。春らしい干菓子です
蕨の形のものは州浜製できな粉の香りがふんわり。
どちらもかな〜り感激の美味しさでした
その他にひなあられも頂きました。


お内裏様・お雛様と煙草盆
 

そしてお茶会が無事終了。



私にとっては2回目の星岡訪問。
前回は約6年前にN先生にお連れ頂きました。
まだお作法教室が立ち上がる前のことです。

前回伺った時は、初めてのお裏さんの正式なお茶会がとても新鮮で、また“都会(東京)”でのお茶会も初めてでしたし、お茶の先生や年配の方々に囲まれてとても緊張したことを覚えています。

独身時代は7年程お茶を習っておりましたが(表千家)、ほんと子供の手習い程度といいますか
学校を卒業したての同年齢の女の子できゃぴきゃぴと楽しく習っていまして、特に私は
「次なんでしたっけ?えへっ」
と笑ってすりぬけるタイプでしたので、身が入ってなくて本当に先生泣かせだったかもしれません。

「お茶を習っている」という言葉だけで満足していたあの頃。
今思うとほんと“若かったなぁ”という感じです

もう笑ってすませられる年齢はとうに過ぎてしまいましたものね

あの頃にもっと真剣に、もっと深く取り組んでいたら違った今があったのではないかと後悔でいっぱいですが、でもお作法教室に通い始めてからは独身時代とはまた違った心持ちであることは確かなので、それに気付けただけでも幸せなのかも。

今回のお茶会もなかなか教わった通りには上手く出来ず反省の念しきりですが、でも失敗も学習。大変貴重な体験となりました。

このような素敵な御趣向のお茶事を催して下さいました井関先生、お心遣いありがとうございました。
そしてこのお茶会に関して事前に細かくご指導して下さり、当日も細部にわたるまで終始私達を導いて下さいましたN先生、本当にありがとうございました。


最後に先生を囲んで、皆様と集合写真


これからも“凛としてしなやか”な女性を目指して日々精進して参りたいと思います。


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