京都府立陶板名画の庭

芙蓉(ふよう)

2013年04月13日 13:50

京都府立陶板名画の庭に初めてお邪魔しました。

名画の美しさを忠実に再現し、永く保存できるように作られた8点の陶板画を展示した世界で初めての絵画庭園。(施設設計:安藤忠雄氏)庭園は、ゆるやかなスロープで地下2階まで掘り下げられ、回廊式のユニークな構造となっており、大小の滝や池による水辺と、併せて昼光のなかでの絵画鑑賞を可能にした新しい空間を提供している。(展示陶板画)「最後の晩餐」、「最後の審判」、「清明上河図」、「鳥獣人物戯画」、「睡蓮・朝」、「糸杉と星の道」、「テラスにて」、「ラ・グランド・ジャット島の日曜日の午後」建設:(開館)平成6年3月24日

「睡蓮・朝」モネ

フランス印象派の代表的画家モネは、ジベルニーに移り住んだ後半生の40数年間、自邸の池の睡蓮と水の風景を描き続け、特に晩年は睡蓮を主題とした大作に没頭した。
この作品はその1つ。パリのオランジュリー美術館に展示されている。
この陶板画はほぼ原寸大で、縦が200cm、横が1275cmある。



「鳥獣人物戯画」

京都高山寺に所蔵されており、平安時代、鳥羽僧正により描かれたと伝えられる。全4巻の内、猿、兎、蛙の擬人化による遊戯の甲巻と鳥獣の生態を描写した乙巻が特に優れているといわれている。この作品は田の絵巻もののように詞書が一切ないため主題がはっきりせず、いろいろな解釈がなされている。
この陶板画は原寸を縦横約2倍に拡大したもので、甲巻が縦60cm、横2262cm、乙巻が縦60cm、横2400cmある。



「最後の晩餐」レオナルド・ダ・ヴィンチ

イタリア・ルネサンスの巨匠、レオナルド・ダ・ヴィンチがイタリア・ミラノのサンタ・マリア・デルレ・
グラツィエ聖堂食堂に描いた壁画である。
作品の主題はヨハネ伝などの福音書に記されているエピソードで、12人の弟子たちと一緒に食事をしていたキリストが、突然「汝らのうちの一人われを売らん」と告げたことによって引き起こされた一座の驚愕と動揺の瞬間を描いている。中央のキリストの向かって左にいる愛弟子のヨハネは、深い悲しみにうなだれているが、その横の気性の激しい老ペテロは、右手に小刀を持って裏切り者を刺そうとしている。この二人の隣りにいるのがキリストを売ったユダで、恐怖のあまり後ろに身を引きつつ、思わず報酬の金の入った財布を握り締めている。しかもユダの顔だけが影になって暗く、位置も全体の中で最も低く押さえられて孤立している。
弟子たちの不安と興奮とは対照的に真中に座るキリストは、ひとり泰然としている。頭をやや傾け、眼を伏せて来たるべき不幸な出来事をすべて見通しながら、父なる神に許しを乞うように両手を広げているが、その両手から左右の弟子たちに激情のように伝わっている。そしてそれはまた画面の両端ではね返って、再びキリストのところに戻ってくる。つまりキリストは一座の緊迫した精神のドラマの中心にいるが、構図的にも、この正確な遠近法で描かれた空間の全ての線が集中する要のところに位置して、画面を統一している。多くの人物にそれぞれの性格に応じた複雑な身振りと心理の表現をあたえながら、全体としてこれほど緊密な秩序を作り上げている絵画は、他に例がない。
この陶板画はほぼ原寸大で、縦が432cm、横が886cmある。



「最後の審判」ミケランジェロ

イタリア・ルネサンスの巨匠、ミケランジェロがローマ、ヴァティカン宮殿内にあるシスティナ礼拝堂の壁画に1536年から1541年にかけて描いた代表作である。
この絵の主題は、聖書にある世界の終末とキリストによる審判である。画面中央の堂々たる体躯の裸体のキリストは、右手を上げて罪びとたちを 弾しているが、その傍らに寄りそう聖母マリアは、身を屈めつつこのキリストの審判から顔をそむけている。つまり正義と慈愛という神の有する二面がここではキリストと聖母に明確に分けて具現されているのである。そしてこの両者を弓状に囲んでいる使徒や聖者たちはまるで魔法にでもかかったように、キリストの激しい身振りを凝視している。その中のひとり、キリストのすぐ右手下方にいる聖バルトロメオがつかんでいる剥ぎ皮には、ミケランジェロ自身の悲劇的な顔を見受けられる。
壁画の左右最上方には、十字架と 打ちの円柱を運ぶ天使たち、そのすぐ下には預言者、殉教者、巫女たちなど、天国の住人が めている。中央から下方の罪人たちの群れを見ると、画面左下、鉛色の空の下の荒涼とした死の世界には、多くの死者たちが審判を待ち、ここから選ばれた人びとが翼のない天使(聖霊)によって上に引き上げられ、天国へと導かれる。ここれに対して右下方には地獄へ墜ちる罪人たちの姿がなまなましく描かれているが、特に冥府の川を渡る船の上で、カロンの櫂で罪人たちが奈落の底へ投げ落とされる光景は凄惨である。
このようにこの壁画にはキリストを中心として、天国へ上昇する人びとと地獄へ墜ちる一群とが円環状に流動して、壮大な終末のドラマを演じている。しかしまたキリストを太陽神のメタファとみれば、この作品は太陽の周囲を多くの星座が旋回する宇宙を象徴していると考えることもできる。つまりここには終末論的な精神の表現とともに、宇宙的な意味を持つ広大な世界が現されている。
陶板画はほぼ原寸大で縦が1430cm、横が1309cmある。



上から眺めても良し、下から眺めても良し。圧巻のスケールです。
こうした名画をお日様の下、近くで見れるというのがいいですね。

第8回京都検定1級で設計者の安藤忠雄さんのことが問われていましたっけ?
残念ながら答えが書けませんでした
だからいつかここに来てみたいと思っていました。

爽やかなお天気の日にお薦めのところです


京都府立陶板名画の庭
住所・・・〒606-0823 京都市左京区下鴨半木町 (京都府立植物園北山門出口東隣)
電話・・・075-724-2188
開園時間・・・9:00〜17:00
入園料・・・100円

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